ふるさとの夕顔

 3年前、事務局長の小澤さんから夕顔の種を貰った。それ以来毎年育てている。1年目は2個、昨年は1個収穫した。今年も3月に種を貰い植えてみたが、いずれもうまく芽が出ない。桜まつりで帰省した折、たまたま「産直かねがさき」に立ち寄り、夕顔のタネを購入。早速、鉢に植え様子を見ると、5月末になってやっと芽が出てきた。6月に元気な苗を選び、小さな庭に、移植した。昨年2つの苗が、害虫に食い荒らされたことから、今年は元気がいい苗4本を選び、1m間隔で植えた。初めなかなか育たなかったが、6月の梅雨時になって、やっとつるが伸び始め、8葉出たので先端をつまみ、つるを脇にはべらす。7月になって、ようやく実がなりだした。散歩途中の方が物珍しそうに眺め、「これは何ですか。へちまですか?」などと声をかけてくる。「夕顔なんですよ」と答えると、「ゆうがお」を初めて聞いたような表情をされる。夕顔を通して見知らぬ人との交流もできた。

 田舎の姉から、40cmぐらいになったら収穫するように言われていたので、9月2日初収穫した。ご近所におすそ分けし、「炒め物や味噌汁の具にするとおいしい」と言葉を添える。「異常気象の中で野菜が高い中、美味しい夕顔をありがとう」と感謝された。

 私の実家では、お盆の頃になると毎日のように夕顔料理が出た。今では懐かしいおふくろの味である。来年も育てたいと思っている。

                                              在京金ケ崎人会幹事長 阿部 敬